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2013. 06. 17  
子供が親の思い通りに育つわけないでしょ!? 

今日は、そういうお話。


熱量と文字数の最新更新トークで

「3歳になる娘がいます。プリキュアが大好きな彼女が、プリキュアを卒業したら、その後なにを見せてやればいいでしょうか?」

という相談を受け、いろいろ考察するという場面がありました。

プリキュアは人間関係の深い話も普通にやるので、ずっと見せていて良いのでは? というところから、親のオタク趣味に寄せていくべく萌え系の作品も見せたいとか、いろんな思惑に沿った提案がいくつもあって、実に面白かったわけです。

私がまず脳内に挙げたのが、おジャ魔女どれみシリーズ。プリキュアよりもリアルな方向性なので、プリキュアアフターには最適かと。

次に浮かんだのが
「とにかくアルプスの少女ハイジと赤毛のアン、この二作こそ、もうてっぱん中のてっぱん!」
ということ。

そして、なぜこの二作がてっぱんかを考えますと。
すなわちそれは高畑勲氏という至高の演出力とこだわりを持った監督の仕事が素晴らしすぎるから、ということになります。
なら、氏の他の作品も同様の価値を持つはず。
パンダコパンダはもちろん、セロ弾きのゴーシュもマスト、ということになります。

「ん? だからといって「太陽の王子ホルスの大冒険」はじゃぁアリなのか? んん? なぜだろう、純然たる子供向け漫画映画のはずなのに、ありゃぁもちっと青春くさくなってからだろう、とか思ってしまうのは?」

さらに考察が進んで

「そもそも、オタクとして育って欲しいならば、先に見せておくべき作品群があるはずじゃん? アニメーションという虚構を本能的に愛する人になるべく、より原初的快楽に訴えかける作品を。アニメーションの本質が骨身に沁みる作品群を! そう、ディズニーのシリー・シンフォニー・シリーズやフライシャーを! 言語の壁が存在しない、観ているだけで万人が理解できる、まさに映像の根本を示す古典の数々を! 音楽と動きが一体化したアートとしてのアニメを! これこそまさに情操教育としてまず必要な道でして……」


などと考えているうちに、ハタ! と気づきます。
古い作品ばかり。
これじゃあ「年寄りは引っ込んでろよ」と言われても仕方なし、であります。



私はテレビアニメ鑑賞を再開したのがここ2、3年でしかないので、20年ほどに渡っての知識がすっぽり欠落しているのです。
古いものしか紹介できないのは問題です。

なので夫の人にもこの話題を振ってみました。
いろいろとトークが沸騰し、それはそれは楽しかったのですが。
意外にもやはりタイトルがそう多く挙がるわけでもなかったのです。

「これが『男の子』なら、もっといくらでも見せたいタイトルは浮かぶんだけど。うーん、女の子だし……」

と夫の人が言った瞬間、私の脳裏に幼児期のトラウマが蘇りました。

アポロ計画ブームの時代、宇宙やロケットやSFなどの記事ばかりだった「小学○年生」という雑誌を買ってきた私。
それを母が取り上げてパラパラとめくってこう言ったことを。

「ロケットだのロボットだの、こんなもの、女の子のためのページなんてほとんど無いやないの。本屋に返してらっしゃい。お金返してもらってきなさい」

私はまさに、その、ロケットだの宇宙服だのの本が読みたかったのに。
女の子のための本じゃない、といって取り上げられてしまった。
女に生まれたばかりに、自由を奪われる。意思をないがしろにされる。
そんな世間の理不尽を初めて押し付けられた記憶。



「……いや、よく考えたらそれっておかしいよ。女の子だからって、作品を選り好みとかおかしいよ。どんな作品だって、観せてあげるべきだよ!」

「だよなぁ。どんなものを好きになるかはその子次第なんだし。なんでも観せて、何が好きかは自分で決めさせるべきだよな」

「あ、後さぁ、出来の良いものばかりじゃなくて、上品なものばかりじゃなくて、そうじゃないモノも同時に観せた方がいいのじゃないかな」

「グダグダな、ユルユルなダメ作品も観せようってことか?」

「そうじゃなくて、出来は凄いんだけど、下品なネタもやる作品を。だってね、良識的なものばかり観せて育てたら、成長したころに反動が来て、「よろしくないもの」の魅力にハマってしまって抜けられなくなってしまうかもだから」

「あー、それはおおいにあるね」

「なので、ハイジやアンなどと同時に、クレヨンしんちゃん劇場版などを激推しします。特に初期のやつ。雲黒斎とかヘンダーランドとか」

「おおいに同意する」

などと話が進んだあたりで、フッと嫌な予感のようなものがよぎりました。


「……いろいろ出たけど。結局さ、何をどんだけどんな意図で観せようが与えようが、やればやるほど、いつか子供はそこから反発していくものじゃないの? 反抗期ってのは来るものだし、そうしたら、親のやることなすこと嫌で嫌で仕方無くなるわけだし。

『あのクソみたいなガキ親のせいでアニメなんか死ぬほどキライになっちまったよ、ムシズが走るよ! バッカジャネーノいい歳こいてあんなクダラナイものゾッとするよ! そんなものより世の中にはもっと大事でイイものがいくらでもあるってゆーのに! 金だよ、ヤクだよ、男だよ、生でリアルな刺激だよ!』

てなこと言いながら、ロックだダンスだアングラだーって、素人バンドや演劇集団の追っかけのために家出しちゃって、くだらない男の語る夢とやらに騙されて貢いだり、あっというまに破綻した結婚で生まれた赤ん坊抱いて出戻って来たりするようなギャルに育つ可能性とかが出てくるじゃん、逆に?」



というわけで、結論。

子は親の思い通りにはなりません。
むしろまったく逆であります。
そして、それが自然なのです。

親としての思惑、意図、理想。
それを押し付けたくなるのは大人のサガのようなものです。
ですが、それがいつか裏切られることもある、という覚悟を、常に大人は持っているべきだと思います。



********************

この会話をした後日、爆笑問題のラジオに虚淵玄氏がゲストに来た回を聴きました。

虚淵氏の御父君は「宇宙戦艦ヤマト」がお嫌いだったそうで

「これ(ヤマト)を最後まで観て、泣かなかったらオモチャ買ってやる」

と仰り、でも虚淵少年はやっぱり泣いてしまい、オモチャは貰えず、敗北感を抱いたとか。

あるいは、アニメのサントラを聴き込んでいたら

「そんなものは音楽じゃない! これを聴け!」

とご自身の好きな音盤(頭脳警察などだったそうな)を渡し、虚淵少年はイヤイヤ聴いて

「わっかんねーなー……」

と思っておられたと。

アンチオタク教育と言うべき薫陶を受け、いまや虚淵氏はバリバリ売れっ子のアニメライターに大成なさいました。

そういうものなんだなぁ、としみじみ再確認した次第です。


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Comment
思ったようには育たない(^_^;)
考えてみれば、わたしが初めて読んだSFはハインラインの『赤い惑星の少年』だったのですが、これって、自分で選んで買ったものじゃないんですよね。当時、わたしに読ませる本を選んでいたのは母……母がなんでこの本を選んだのか、今となっては謎です。そういえば、母が寝しなに読んでくれていたのも『ジェイミーの冒険旅行』だったもんなぁ。女の子向け……じゃあなかったですね(^_^;)。
Re: 思ったようには育たない(^_^;)
MIKAさん>
ハインラインのジュブナイルからとは羨ましい!

年かさの兄や姉が居たので、蔵書はわりと実家にありました。初めて読んだSFぽいものは「金星からきた少女」だったかも。親に本を読んでもらった記憶はありません。自分用に本を買ってもらった記憶もほとんど無いです。お小遣いも無かったし…お年玉すら自由に使えなかったし…そのくせ長じてオタクになったら
「ああ育て損なった、小さい頃にもっと漫画映画をみせれば良かった、大人になってからまさかこんなことになるなんて」
とかさんざん言われました。
ホント、「思い通りには育たない」これはガチだと思います(^_^;)

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プロフィール

星 ゆう輝

Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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