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2011. 12. 21  
「ロード・オブ・ザ・リング」(指輪物語)の前日譚にあたる「ホビットの冒険」の映画の予告キタぞー!

美しい。いやが上にも美しい。
ロード・オブ・ザ・リング三部作から年月が過ぎた。映像技術も進化している。なんという透明感。光の演出が凄い。クッキリとクリアーで、かつ詳細に作りこまれたもろもろ。
大変に丁寧に作られている気がする。それなりの映像クオリティを期待して良いだろう。


だがしかし。
困ったことに、これほど美しく作りこまれているというのに、なぜか私には違和感が湧くのだった。
綺麗過ぎる。隅から隅まで綺麗過ぎる。
それはどうにも、私の内にある「指輪物語」の世界とは違う、と感じてしまってしょうがないのだ。
映像があることはありがたい。こうして、原作のイメージをとても大切にして作られていることがはっきりしているムービーを観ると、それだけで胸に迫るものがある。涙が出そうになるほど、こみ上げる何かがある。

だが、私はここで自分に問うてしまうのだ。
「その感動は、何に対する感動なのかね?」と。

そして答えはすぐに出る。
「映像をきっかけにして、かつて自分の心に紡いだ原作のイメージを思い出して感動しているのだ」

目の前にあるのは他人の作った映像。私が感動しているのは、私の脳内にだけある私独りだけのイメージ。
それはどちらも原作小説を基にしているのだが、それでもそれらを一緒くたにしてはならない。別物だ。
キッチリ分けて判断するべきなのだ、と。


私の中の「指輪」の世界は、この予告編のようにどこまでも綺麗なものでは無いのだ。
もっと田舎臭く、もっと薄汚く、肥料や屎尿や埃の匂いが干し草や花の匂いと入り混じり、道端は雑然としていてまだらに雑草に覆われ、轍は深く荒く粉っぽい。家屋の内も外も、綺麗なところとそうでないところがある。
茂みはジメジメと鬱陶しく、ドワーフの住処はさらに暗く異臭に満ちるだろう。魔の領域はさらにいやらしい穢れの地だろう。
そんなリアルな生活の汚れと、容赦ない大自然の驚異への恐れがあってこそ、エルフ達の森の清澄な美と光が映えるのである。この世のものとも思えぬほどの感動と安らぎと憧れの地になるのである。

どこもかしこも丁寧な輝きと美で統一されている「ホビットの冒険」のスチルは、その丁寧さ、作り込みゆえに、かえって実存性を損ねている気がしてしまった。かえって平板で、作り物臭い気がしてしまった。贅沢で不当なぼやきだとは判っているけれども。

この不当っぷり、改めて自分がどれほど激しく深く独善的に、原作のイメージに耽溺し固執しているかを思い知った。どうやっても私は、指輪の世界の映像化やその他のコンテンツに公正な評価なぞくだせないだろう。この作品に関する限り、初めてそれを読んだ小娘のころの気持ちから一歩も成長していない、という気がする。しかもそんな幼稚さや執着を、自分自身で「よしよしイーコイーコ、それはそのままで善いのだよ」と庇って甘やかして助長までしているきらいがある。もう業病レベルだ。下手すると死ぬまで治らない。

なので、観るだろうけど感想は外に出さずにおくかもしれない。あるいは鬼のように語るかもしれない。どっちにしても私にこの方面の話は振らないほうが皆々様のためかもしれない。



いろいろ不満はあったけれども、大昔の指輪のアニメーション映画、そのメインテーマ曲だけは未だに大好きだったりする。

http://www.youtube.com/watch?v=wwcd0vYq3N0

指輪物語は、実写よりも純然たるアニメーション、あるいはフルCGの方が合うと思う。ファンタジーを作る際の「実写の不利性」はもっと問われて良いのではないのかな。

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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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