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2012. 01. 10  
アジモフ博士によると、ラムセス二世というファラオは
「うぬぼれ王」
ということになるようだ。

確かにラムセス二世は凄かった。巨大な立像。巨大神殿。巨大なオベリスク。建てて建てて建てまくった。そして己の業績を刻んで刻んで刻みまくった。帝国と呼ぶべき新王国時代の広大な版図のあちこちにそれはばら撒かれ、あっちにいってもこっちにいってもラムセス二世の名を見ることが出来るそうな。それも、過去の王の業績の記録を自分の名前に刻み直して横取りしてまで、そうしたと。


*****************

世は強大にして至高のファラオである。
我がエジプトは遥かより来る暴虐の民族ヒッタイトどもの侵略を幾度となく押し返した。
世は常に先頭に立って闘ったのだ。
確かにヒッタイト共は易い敵ではなかった。
きゃつらは得体の知れぬ魔装を帯びておったからだ。
魔の装備に我が兵の鏃は当たらず、我が兵の盾は割られ、打ち合えば謎の力で剣をも斬らる。まこと度し難い力であった。
一度などはまさに危うい時もあった、敵の奸計により我軍は引き裂かれ隘路に追われた。
払えども払えども敵兵の数は減らず我軍は押され、雑兵共はしりぞくばかり。
だがたとえ総ての兵が背くとも、神の子にして絶大なる世だけは引かぬ! 怖じぬ! 省みぬ!
蛮族幾万ありとても、神族の力もて打ち払い、神の恩賜エジプトの威光示すもの也。
雑兵どもは逃げ去った。
世はただ一人荒野に立ちて瞑目す。
迫り来る幾万幾千の蛮族の波。
だが誰一人として世の敵にあらず。
神剣の一振りで100人が散り、一薙ぎで1000人が慄き、世の一歩につき敵陣が一尋しりぞくのだ。
打ちかかる弓を右に左に打ち払い、蛮勇の将の首も一打ちし、敵の波をば草むらの如く断ち割って微塵とした。
世の猛勇に兵どもも勢いを盛り返し、一気に大逆転としてやったものよ。

*****************

あーもー、そーゆーのいいから。
大法螺吹きの自慢厨、誇大妄想ぶっこきまくりのうぬぼれ中毒厨二病野郎ってのがそんな古代にもやっぱり居た、って事実だけでお腹いっぱい。ギルガメッシュの時代から居るってのは知ってたけど。



とは言え実際のところ、ラムセス二世は大変な巨躯であったこと(183センチもあった。当時の平均身長を20センチ以上超える)、平均寿命が40歳程度の古代に90歳まで生きたことなど、驚異の生体であったことはミイラによって裏付けがある。真実、戦闘力はあったのだろう。誇大な無双妄想も少しは仕方ないことか。

ヒッタイトは当時世界のどの地域よりも先駆けて鉄器を使っていた民族。武器と言えば青銅が常識の時代にこれは相当なアドバンテージだ。
ラムセス二世はヒッタイト戦を大勝利であったかのように喧伝したが、実際は痛み分けでしかなかった。幾度も戦いあい、やがてラムセス二世がヒッタイトの姫を后に迎えることで世界初の和平条約が成立した、となっている。

なお、旧約聖書の出エジプト記、モーゼの時代のファラオがこのラムセス二世であった、とも言われている。
ラムセス二世の時代を絶頂として、この後エジプト帝国は下降を始め、やがて帝国版図は瓦解し、二度とこの時代に並ぶ栄光を取り戻すことは無かった。



いやーそれにしてもラムセス二世、子供の数が「111人の息子と69人の娘」って、はぁまぁ、良いけど。大半は養子かもしれないけど、どんだけハーレム? 確かに破格の人物だったのだろうけど、こうどこまでも話が出来過ぎていると、全体が胡散臭くなってしまうのもむべなるかな。

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Comment
ソーいえばラムセスが主人公のドラマが昔あったなぁ…
Re: タイトルなし
夫の人>ラムセス言うてもぎょーさん居りますねんで(; ̄ェ ̄)

昨日見せたごっつう良い出来のミイラのファラオはハムナプトラって映画のネタになっとるそうな。
記事中にあるラムセスの詩(?)のソースが知りたいです!
Re: タイトルなし
> 記事中にあるラムセスの詩(?)のソースが知りたいです!

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
ソースは、アイザック・アシモフ氏の歴史解説書シリーズのエジプト編です。
そこに書かれたラムセス2世のエピソードを踏まえて、私が当時流行っていたような語句や言い回しなど混ぜ込みましてテキトーに捏ねあげたものです。

今読み返すと   た い へ ん に  恥ずかしいです。

アシモフ氏の歴史解説書は、かなり古いものでして、私は図書館で取り寄せました。大変にわかりやすく面白いシリーズですので、ご興味がお有りでしたら最寄りの図書館で検索してみてはいかがでしょうか。
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星 ゆう輝

Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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