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2012. 01. 26  
今期アニメでもう一つのお気に入りは「男子高校生の日常」

身も蓋も全く無い、夢も希望もおよそ無い、ましてや美しさなんぞカケラも無い、あきれるほどに空回りばかりの、やみくもな熱ばかりがある、そんな生臭くもアホな日常。
期待はある。行動力もある。でも、けっきょく大したことは起きない。
願いはある。欲望もある。出会いもある。なのに、碌なことにならない。
バカばかりやって過ぎていく青春の日々。それが貴重なものであるとは判っていても、何故か大事にすることが出来ない。
物語にならない日常。冗長な日々。なにかやりたいのに、なにもやり遂げられない、突き抜けられない平凡。
そんな、イヤになるほどリアルな、むなしくも馬鹿馬鹿しい日常。
それがなぜこんなにも可笑しいのだろう、ダラダラしてる若者なんぞ説教の一つ二つくれてやらねばならないのになぁ、と思いつつ、なぜこんなに可愛いのだろう。

そう思いながら毎週笑って観ている。

アニメの少年少女の日常モノというのは、なんだかんだ言ってもやはり「物語」を目指して作られていることがほとんど。
美少女というのは、その存在の成立だけですでに物語であったりするもの。
もちろん美少年も同様だし、普通に「少年」というだけでも物語なのかもしれない。

だがこのアニメに登場するのはあくまで「男子高・校生」なのだ。
待て、そこなゴフジン。「男子校」に「全寮制」とか付けるでないぞ。そーゆーのじゃなくて。

あくまでも、どこにでもあるありふれたドラマ性の無い、そして異性の無い、ベターっと精彩を欠いた高校生の日常が描かれるだけなのだから。
そして、このドラマ性の欠落にこそ価値を感じるのだった。この作品の男子たちは、物事からドラマをあえて排除してしまう生き方をしている。うまく立ち回りさえすれば、いくらでも面白くも感動的にもなりそうな事態を、過剰な自意識や照れで片っ端から潰していく。
なんて勿体無い青春。
だが、この無為、この空虚、この実りのなさ、そんなものをそのままアニメにしてしまうとは、なんと大胆な企画だろう。

テレビに映るものなんてのは、どっちを向いても過剰な物語、ドラマティックに満ちている。アニメだったらなおさらだ。だからこの作品はとても稀少な魅力を持っている。
だが、むしろアニメだからこそ、こういう内容でも見るに耐える魅力を持つのだろう。
こんな生々しすぎる日常を、実写なんぞでやったりしたら単なる退屈の再現になるだろうから。


*****************


今朝方、踏切が開くのを待っていたら、背後がやたらとやかましくなった。
甲高い、浮ついた落ち着きのない少年の声が聴こえてきたのだ。
聴こえる、というよりは、いきなり耳に刺さる感じの響き。
なにもそんな大声で喋らなくても良いではないか少年よ、振り向いてでも欲しいのか? それとも演劇部か何かか? はたまた放送部? もしかしてナントカ専門学校声優科?
いや、違う。オタク婆の耳は鋭いのだぞ。ちゃんと訓練された発声かどうかなんかすぐ判る。まっとうな意思をもって鍛えられた声というのは、通る。抜ける。響く。「刺さる」ようでは素人だ。

で、聴く気が無くても聴こえてしまう大声で語っているのは、
「なにやるにしても基本からみっちりしないとならない」
という趣旨の内容だと汲み取れた。
そしてもう一人が問いかけた。
「んでさぁ、じゃあけっきょく、何がしたいっつーか、やりたいワケ?」
刺さる声がさらに鋭くなってこう言い放った。
「だからね、だからぁ、オレはさ、とにかくさ。なりたいんだよ、何か、表現者ってやつにさ」

ブーーーーーッ!! ごめんね、おばちゃん、思いっきりリアルで吹いちゃったよ。丁度目の前を電車が轟音立てて通過中だったんで遠慮しなかったよ、ごめんね。

表現者? 表現者ねぇ。
君がなりたいのはなんでもいいから何か表現して生きる人のこと?←1。
それとも、表現することで金を稼いで生活できる人のこと?←2。
あるいは、そうやって夢や理想をかたりつづけていれば、周りがなんとか都合よく動いてくれて自分を満足させてくれるような生き方のこと?←3。

踏切を渡ったらすぐに君たちは道を曲って行ってしまったね。まさに男子高校生というしか無い横顔だったね。
きっと君の中では、上に挙げた1,2、3の区別はついていないのだろうね。

でも、ごめんね、おばちゃんにはなんとなく判っちゃうんだよ。多分、3でしかないってことがね。それほどに、声や語り口調ってものに、人格や気持ちみたいなものは反映されちゃうものなのよ。
そういう自己顕示欲の塊みたいなものばかり磨いていたら、そりゃぁ声も刺さる鋭さしか持たないわけよ。
でも実は、それだけ明確な表現力をすでに持っている、ということでもある。才能は皆無じゃない。
君の人生が実り多きものになるように祈ってます。

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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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