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2012. 03. 23  
マリア・テレジアを始めとした美姫美后たちの「ペチコート包囲網」に追い詰められたフリードリヒ大王への興味に端を発し、ドイツ中心に欧州史を追っている今日この頃。
ビスマルクの欧州統一あたりからフューラー登場までがすっぽり抜けてしまって、何か良い本は無いかと練馬区の図書館をサーチ。ここは順当にビスマルク伝記でも……と思っていたのだが、「ビスマルクの栄光からヒトラーの没落まで」と題した書籍があるようなので登録ナンバーを控えておく。


春分の日、体調がイマイチなので寝込んでいると、夫の人が「図書館行くけど(何か用ある)?」と声をかけてくれたので
「えーっと、ビスマルクの栄光ナントカって本、借りてきて。このナンバーで探してもらえるから」
と依頼。

しばらくして夫の人が青息吐息で帰宅した。
「借りてきたよ~」と言う声に、なにか怨念のようなものが篭っている。

カバンの中からあらわれた本は、でかかった。分厚かった。そして物凄く重かった。ゴメンね夫の人、まさかこんなだとは思わなんだ。

右下にあるのはハガキである。サイズの程を感じて頂きたい。

042.jpg

人生50年、いっぱい本を読んできたけど、ここまで巨大かつ重量のある本は滅多に無かった。アジモフ博士の世界史本より重い。広辞苑が裸足で逃げ出すレベル。張り合えるのは画集くらいか。

そして内容は、写真中心のビジュアルムックなのだった。かなりショッキングなものも含めて、100年前のドイツのありとあらゆる種類の写真が満載。もちろんドイツ史解説も詳細だ。作画をするための資料としては超一級品じゃなかろうか。
あまりに重くて支えてられないので、長時間読めないのが難なのだけど。が、面白い。ドイツ最後の皇帝・ヴィルヘルム二世の脳天気で緩くて屈託のなさそうな笑顔を見ていると、ビスマルクを始めとした周囲の人々の複雑な思いも伝わるような気がして、趣深い。



さて、物理的ではなく内容が重い本をもう一冊。

萩尾望都さんの新刊、「なのはな」である。

震災後に発表された短編を集めたもの。
稀代の天才、萩尾さんが原発事故を通して伝えたかったことは何か。
ここにあるのは、物語ではない。
思索と、検証と、問いかけ。そして提言。

「ナニがナニしてどうなった」などという、起承転結などという、流れや構造、原因や結果をドラマとして示してみせたところでなにがどうなるものでもない。それが原発事故という事象が抱える本質。
それらが、ファンタジックな設定の対話劇として寓話的に描かれる。
事実や数値をいくら重ねても、突きつけても、叫んでも、脅しても、クドクドそうするほどに遠ざかるものがある。逃げたくなってしまうものがある。目を背けて忘れたくなるものがある。
だが、だからこそ、本当に知らねばならないことは何なのか、本当に考えねばならないのは何なのか。
理屈では動かし難い人間の心の根本を揺るがす、渾身のテーゼがここにある。まさにマンガという表現の本懐だと思う。萩尾さんだからこそ出来るわざでもあると思う。

一人でも多くの人に、今読んで欲しい本。



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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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