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2012. 07. 09  
夕食時、マボロシと呼ばれる作品についての話題になった。
「クレクレタコラ」という作品の実存を信じてもらえなかった話。
これは、二人だけで「あった」「ねーよ」とやりあっているところにやってきた第三者が「知ってる」と証言してその場の勝敗は決した、という話だったような。
「快傑ライオン丸」という作品の存在を若人に信じてもらえなかった話。
これは岡田斗司夫氏が語っていたと記憶している。

もちろん私は、このどちらの作品も実存だったことを知っている。特にライオン丸は大好きで毎週観てたしね!

そういう話をしていて、ハッと思った。
マイナーな作品、コンテンツはたくさんあるが、この頃はたいていのものがググれば資料が見つかる。
そして、「ほらちゃんとあるでしょ」と説明することもできるし、良かった、自分の脳内だけの妄想じゃなかったんだ、本当にあったんだ、と安心することもできる。

人間の記憶なんて、本当に実に曖昧なものだ。それは歳をとるほど実感する。
その曖昧であやふやで不確かな記憶というものを固定し、確認出来るものにするための資料。
人間はそれをとても求める。
記念の品、というものだ。写真であるとか、テキスト、映像、ありとあらゆる思い出のヨスガ。

が、高度情報社会において、人間は可能な限り記録をデジタルに置き換え始めている。
次に来るのは記録をクラウドに置き換え、手元をスッキリさせる流れだろう。
何処かヨソにデジタルの形でデータを保管してさえおけば、身辺が物で散らかることもないし、検索や引用も楽だ。

が、この流れには大きな落とし穴があるはず。
繰り返すが、記憶というのは曖昧な想念でしかない。
なんでもかんでもネット上に保存し始め、なんでもかんでも検索でデータを引っ張れば済むようになってしまったら、人間は記憶する手間というものを惜しみはじめるだろう。
甚だしい場合は、記憶というものはネットに存在を裏付けてもらうもの、という状態になってしまうだろう。

「****ってあったよね?」
「なにそれ、しらなーい」
「あったよぉ、ちょっとまって調べるから……あれ? 出ないなぁ」
「そんなもの知らないよ、夢で見たナニカじゃない? 記録無いでしょ」
「うーん、そうかも。そんな気がしてきた。何かと間違えたかなぁ」

こんなことが頻繁に起きるだろう。

さらに言うなら、徹底的にデータを消去、改竄していけば、確かに存在したはずの事実も何もかも、
「そんなものは無かった」
ということにしてしまうことも不可能ではないということ。社会的抹消。なにもかもをデジタルデータにしてしまうというのは、そういうことだ。

さらに逆に考えれば、
「ありもしなかったこと」
を事実として社会に認識させることも同じ。歪曲された情報や捏造のコンテンツを実存と信じさせることも容易くなる、ということに他ならない。

高度情報社会を、私は歓迎している。それは私が、好奇心過多なくせに頭が悪く、しかもボケ始めているからだ。
が、高度情報社会を万全に信頼もしない。
というより、人間はそのシステムを万全に使いこなせるのかどうか? 実に疑わしい。
どっちかというと堕落しまくる可能性の方が高いのじゃなかろうか。

メディアの保存や利用を、断じてデジタルのみにしてしまってはならない。
人間が自分の頭を使って記憶し、考えること。
人間が自分の手や指を使って記したり描いたりすることを、断じて手放してはならない。
なにもかもをシステムに丸投げして頼り切ってしまうことは、人類文明を大暗黒時代に導く黄泉平坂でしかないだろう。


え?

別にデジタルだの高度情報だのが無い頃から人の世は、黒を白と言い換え、捏造を事実とし、有った無かった、やったやってない等々の際限ない泥仕合に明け暮れているって?

ええ、本当にそうですね。そしてそれは高度情報社会と化した現在、ますます猖獗を極めているようですね。


まったくの個人的なとある事情により、現在ただいま深く静かにメラメラと怒っているアタクシ。
緑濃い山の清澄な空気と、煌く湖水の思い出をズタズタにしてくれた総ての輩に。
そこに生きていた頃の私の人生は不如意に満ちて満足とは程遠い日々だったけど、それでもあの美しい風景と静謐な環境だけは心の底から今でも愛していたもの。
いつかこの件について理性的かつ公正な状態で綴れる日が来ますように。
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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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