--. --. --  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012. 07. 26  
節電のため、日中は近所の図書館で過ごすことが増えた。
今日、ふと手にとったマンガ本。タイトルは

「コミック帝国ホテル 120年の最高」


生まれついての貧乏暮らしなので、帝国ホテルなどという高級ホテルにはトンと縁が無い。読んでいて知らないことばかりでとても興味深かった。

なにより印象深かったのは、「ライト館」についてのくだりだった。

当時の世界随一の建築家だった、フランク・ロイド・ライト氏に設計施工を依頼したのはいいものの、超の字がつく天才肌だったライト氏、隅から隅までこだわりまくって時間と金を蕩尽しまくる。
その芸術的な感性から繰り出されるアイディアや設計思想の数々、工夫、ダメ出し、やり直し。
そうして出来上がっていくホテルの姿は、まるで神殿遺跡のような威風と神々しさだったという。(その非凡な発想やこだわりの強さに、読んでいてありありとスティーブ・ジョブズを思い出したのだった)

膨れ上がる予算、いつまでたっても終わらぬ工事。他にも様々な事情が絡んで、ついに任を解かれてしまうライト氏。その後は彼の薫陶を受けた日本人監督の元で、ライト館はついに完成を見る。

いよいよ落成式のその日、宴会の準備に慌ただしい正午前。
帝都を凄まじい地震が襲った。関東大震災である。
だが、ライト氏が心血を注いだ建築は見事に揺れに耐えた。
家屋を喪った多くの都民の避難所となることが、ライト館の最初の業務になったのだった。

大震災をものともせず、戦時の空襲をもなんとか凌いだライト館だったが、もともとの地盤が脆弱だったこともあり、老朽化を食い止められず、昭和43年には解体されてしまう。

天才・ライト氏の才能が生んだホテルの建物とは、いったいどんな様子だったのだろう?

画像検索して、その美しさに息をのんだ。

なんという、浮世離れした美。そしてユニークさ。夢の世を切り取ってきたかのような極上の風景。これほどまでにアートの名に相応しい建物も、なかなか無いのではなかろうか。

現在の帝国ホテルの、堅牢ではあろうが味も素っ気も無い直線的な写真を並べて見て、とてもがっかりしてしまうほどだった。「古き良き時代」という言葉は好きではないのだが、確かにそういうものが実在することも有ったのだなぁ、と信じられるオハナシだった。

他にも、帝国ホテルならではの料理へのこだわりと伝統、おもてなしの思想など、どれもとても読み応えのある内容だった。
「100-1=0」、すなわち、たった1つの手抜きだけでも総ての信頼が損なわれてしまうのだ、という人間心理に基づいた、完璧をこころざす思想は、現代日本のアチコチで喪われて久しい真っ当さのあらわれだと思う。


信頼。
これほど現在只今の日本で問われ直されねばならないものも無い。
効率と保身に走り、隠蔽や誤魔化しや粉飾にばかり長けた身勝手な人間が支配する世の中。そんな世界の未来に待っているのは、荒れ果ててペンペン草も生えない、カッサカサの焦土だろうから。




などという小難しいクソ理屈はどうでもいいので、死ぬまでに一度くらいはこのホテルに宿泊してパーフェクトサービスを心ゆくまで受けてみたいものだなぁ。……フルコース食べたい(´¬`)ジュル


関連記事
NEXT Entry
キッチンアルケミスト
NEW Topics
初めてなのに懐かしい  Fate stay night
さらば上石神井
過ぎ行く2013
現実はドラマティックを狙わない
新生ライフ
アイウエオの歌
文は人なり
曲線美
風立ちぬ
ぜろせん!
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

星 ゆう輝

Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
月別アーカイブ
ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。