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2012. 11. 03  
久しぶりに夫の人と映画館へ。
観るのは公開初日の「のぼうの城」

上映時間がかなり長い。
が、長さを感じなかった。本当に、疲れること無く隅々まで楽しかった。

登場人物の魅力がまず第一の映画。
たった五百の戦力で、二万の軍勢に耐えた城。それを率いた男は如何なる者だったのか?
智将か?
天才か?
勇猛果敢の英雄か?

どれでもないのだ。見事なほどに、そのどれも無いのだ。呆れるほどのスットコドッコイなのだ。小さく、か細く、ひょうげた男。農作業が大好きで、見物に来ては手伝いを申し出る。が、あまりに不器用なので散々なことになるだけ。百姓にとっても迷惑千万なオサムライ。
が、同じ田畑で泥にまみれて、いつも一緒に笑っている彼はとてもとても慕われていた。
この上下の別の無い人望こそが最大の能力であった、そんな男。

この稀有な城主を、野村萬斎が演じる。彼ならば当然のことであるけれど、やはりというか、まさに鬼気迫る怪演。阿呆のような、抜けまくった不思議な存在でありながら、時折見せるカミソリみたいな鋭い眼差しにゾクゾクした。
この男、決して見かけどおりの柔弱ではない、底知れない恐ろしさを秘めた器であると、言葉も無く、動きも無く、ただたたずまいだけで示せる演技。善いものを見た。最高のものを見た。心の底から満足出来る、幸せな気分になった。映画館に来て本当に良かった。

魅力的だったのは主人公だけではなく、敵の総大将、私のご贔屓武将の一人、石田三成もすごく良かった。
不明なことに、最後のテロップを観るまで、上地雄輔が演じているのだと、私はまったく気づかなかった。隅から隅まで三成にしか見えてなかった。智謀神のごとしと言われながら、愚直すぎ不器用すぎで、妙に阿呆さが残った存在を、万全の形で演じていたと思う。

彼のそばにずっとはべる朋友。大谷ヨシヒコ、もとい大谷吉継の山田孝之が放つ独特のオーラがこれまた良い。

城側の実質的なサムライのリーダー、丹波役の佐藤浩市のカッコよさと来たらもう。

他にも数え上げたらキリが無いほど、綺羅星のごとく登場人物一人一人に魅力がある。ただまぁ、市村正親の秀吉は、流石にイケメン過ぎる気はした。むしろ野村萬斎の方が秀吉にピッタリの気もするが、それが実現する日がくるやらどうやら。


キャラが魅力的であること以上に感動的だったのは、絵作りに迫真性が満ちていたことだ。緻密で、丁寧で、心遣いと覇気に満ちた画面の連続だった。
特に合戦シーンの勢い、スピード、迫力はかの黒澤映画を思わせるテイストで、夫婦ともども随喜の涙。実写の時代劇映像で、これほど心地よいものを観ることができたのは久し振りだと思う。

そしてなによりも。
物語として、映画として。
原作者、およびスタッフが作品に込めた思い。伝えたかったこと。
それがあまりに明確で心に響くものだったこと。
まさにこの時代、この現代に伝えるべきだということなのだな、と受け取れたその思い。
それがどういうテーマだったのかということは、是非劇場まで足を運んでご自身の眼と心で感じ取って頂きたい。

キャラよし、スジよし、描きよし。
三拍子揃った見事な娯楽超大作。「のぼうの城」、オススメです。

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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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