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2013. 01. 24  
森薫さんの「乙嫁語り」の最新刊を読む。

時は19世紀、ところは中央アジア。遊牧民が大自然と調和して生きるさまを仔細に、緻密に、どこまでも生き生きと描く作品。作者の世界への愛が感じられる、眺めているだけで幸せになれる、そんなマンガ。

最新の5巻では、威勢の良すぎる双子の乙女がいよいよ嫁入りする話。目も眩むほど可愛い花嫁姿。
それよりももっとなお輝かしいのは、祝いに船を貰って喜ぶ、若き花婿たちの笑顔。

4人で船を担いで漁に出るシーンの美しいこと。
若さと、命の営みと、大自然の恵みの幸福。なんと素晴らしい絵の数々だろう。



だけど。
事前に、とても哀しい話を知ってしまっていた。
彼らが魚を漁り(すなどり)、未来への希望を託した海の行く末のことを。
その海がその世界にもたらしていた、巨大な恵みがどうなってしまったのか、ということを。

詳しくはこのwikiで→アラル海

愛らしい乙嫁たち、その周辺の人々たちは、この惨状を目にすることはなかったろう。
が、彼女たちが産んだ子や、そのまた子供たちはどうなったのか。祖母の膝で聞かされた思い出話を胸に、荒れ果てていく故郷をどんな思いで見たことだろう。

そう思って乙嫁語りを見直すと、美しい描線のひとつひとつに限りなく哀切がにじみ出る心地である。

喪われ、二度と戻らない夢のような時代と世界の物語。
人間がどれほどの巨大な破壊をやってのけるか、どれほどあっさりと残酷に世界をすり潰していくか、そしてその事実を意識もしないで安穏と流され続ければやがてどうなるのかを、語り伝える作品になってくれることに期待する。

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> おのれレッドベアー!

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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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