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2013. 03. 25  
ディズニーの新作CGアニメ「シュガー・ラッシュ」。

いろんな時代のゲームキャラが一堂に会している設定は、「ロジャー・ラビット」を彷彿とさせ、ゲームセンターから人が居なくなった途端に、やれやれと業務を切り上げて自由を満喫するキャラの行動は、ピクサーの「トイ・ストーリー」のようでもあります。

「コンピューターゲームの歴史も30年以上を経て、こういう作品が作られるほどの確固たる文化としての地位を獲得したのだなぁ」
と思うとさすがに感無量でした。
ピコピコとペラい音。ギザギザが目立つ、単純なドット絵。
そういう古臭い仕様に、限りない郷愁と愛着をスタッフが抱いているのがはっきり判る作品です。


もちろん、今風バリバリのポリゴンFPSゲーム風のキャラも登場し、昔のゲームキャラと絡んで齟齬が生じるあたり、昔からゲームに親しんでいる大人ほどニヤニヤできる構造だったりします。

物語は実に王道の、出会いと成長と絆のストーリー。
ややベタ過ぎるようでもありますが、そこに込められた作り手の思いや、主張がとても明確で伝わりやすく、

「多分こうなって、ああなって、結局こうなって綺麗に終わるんだろうなぁ」

などと判っているつもりで観ていても、キャラの魅力と表現の巧さにすっかり惹き込まれて、計三回はボロ泣き。隣で観ていた息子が心配するくらい。


設定や構造は、ロジャー・ラビットやトイ・ストーリーに似ているとしても、かつてのこれらの作品には伺えなかったモノがこの作品にはあります。

「こういうことはするべきことじゃないよね? すべきことはなんだろう? どんなふうに生きるべきだろう?」

そういうことを強く呼びかける、刻みこむ、訴えかけようとする、祈りか願いにも似たような、切実な主張が描かれているのです。

現代のアメリカの社会が問題として抱えているある種のモラル崩壊に対する意識が、色濃く反映されているシナリオなのだろうと思いました。
そしてそれは現代日本が抱えるそれにも密接に関連するものでもあるはずです。

文明が進化し、技術が拡大し、その恵みをいち早く享受した先進国。
アメリカと日本。
進歩と繁栄の裏で確実に進んでいったモラル崩壊や人心の変貌。
そのことにこれほど強烈な警鐘を鳴らし、かつ復旧の志しをも示してみせるストーリーが、文明と技術の申し子であるゲーム文化を主題にした作品世界で語られるというのは、壮大な皮肉にすら想えます。


絵作りのセンスこそピクサーに一歩譲る感はありますが、お話づくりの巧さは流石ディズニー、老舗の風格と貫禄は凄いなぁ、と唸らされました。
ゲームになんの知識も興味も無くても楽しめる、手堅い娯楽作ではありますが、ゲームが好きであるほど、ゲームと共に生きた年月が長いほど、深く激しく楽しめる一本でありましょう。

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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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