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2013. 03. 31  
ガールズ&パンツァー、ついに完結。
そろそろバラツキがあった放映スケジュールも落ち着いた頃かと思います。

いやもう本当に素晴らしい最終回でした。まさに伝説級です。良質なアニメは毎年たくさん生まれますが、ガルパンは明らかに別次元の傑作になりました。

*題材が個性的であること。
*設定と物語が深く練られていること。
*演出がオーソドックスで堅実であること。
*アニメーションの本質と伝統を大事にした映像であること。
*大人数のキャラクターのそれぞれがリアリティを備えていること。
*BGMなど、音響へのこだわりが深いこと。

美点が、枚挙にいとまもないほどです。
これらの項目、ひとつを語るだけでエントリが一日分消費されるくらいに、濃いのです。

特にアニメーションとしての価値については、ウォルト・ディズニーが産みだした手法と文化の遺伝子を受け継ぐ、正統なる後継者としての称号を水島努監督に奉りたく思います。

手描きの動画では大変に困難な、戦車という複雑なメカニックの動き。
それをCGを駆使することによってダイナミックかつ生き生きと描き出し、臨場感と緊迫感溢れる映像にしてみせた手腕こそがまさに伝説の名に相応しいと言えるでしょう。


キャラクターを魅力的に描く技は、日本では大変に進化しています。特に可愛い女の子の描写は洗練の極みに達しています。つまり、可愛い女子なんてものは、アニメにおいては実にありふれたものです。

ですが、戦車という無骨な兵器を、水島監督はキャラ化してみせたのです。可愛い少女たちと等価の存在として。これはとんでもなく稀有なことだと思います。戦車はロボットですら無い、人型ではない、感情移入の困難なものなのに。

そして、水島監督のさらに恐るべき実力は、より特別な困難に挑んで成功させた点にも現れています。

それは「町」のキャラ化です。

ヒロインたちが住む学園艦、それが寄港している町は、茨城県大洗町。
なんと、戦車のみならず、この町そのものがキャラ化に至っているのです。

特定の地域を舞台にしたアニメはたくさんあります。美しい風景、独特の風景、それらが作品に溶け込んで成功した作品は、実際の地域に多くの観光客を呼び寄せ、おおいに成功する例となります。

しかし私の知る限り、そういうご当地アニメのほとんどが、どんなに良質な作品であっても、現実の眺望を、美しい背景以外の存在として描くことは無かったように思います。

ですがガルパンと大洗の関係は一味ちがうのです。

実際の大洗の町並みを戦闘フィールドとして、派手な戦車戦を繰り広げる回があります。
この回の絵コンテが凄かった!
ポリゴンとしてグリグリ動く背景。道路、街角、建物と一体化して激しくアクションする戦車。勢い余ってぶっ壊される実在の建物。

これらを、まさにその場で味わうかのような臨場感でもって描くこと。
人間と戦車の視点で描くこと。
単なる背景ではなく、視線の先にある空気の一部として感じられる存在として描くことで、大洗という町がキャラおよび戦車と同一の意味を持ったのです。町がキャラクターとしての属性をまとった瞬間でした。

結果、どういうことになったか。

大洗の町にはガルパンのファンがあまた訪れ、お祭りは大盛況。
大洗の町を挙げての大歓迎。多くの商店、駅舎、水族館、数えきれないほどの施設が、ガルパンにまつわる展示や掲示を掲げて作品の応援をしてくれたそうです。
先週のイベントには、町長と自衛隊のはからいで、本物の戦車の展示がかなったとのこと。

そして最終回の放映が出揃った今、大洗駅には

「祝全国大会優勝 県立大洗女子学園」

の横断幕が張られているそうな。

かつてこれほど地元に愛されたアニメ作品があったでしょうか。


ガルパンのフィナーレは、大会を終えたガールズとパンツァー達が、大洗の町に戻ってくるシーンです。
港に続く道には、地元の人たちが作った花道。「優勝おめでとう」のノボリ。
拍手で喜び迎える大人たちの数は、思いの外に少なく、一見は地味な凱旋です。
でも、それが大洗の町そのものなわけです。人口2万に満たない、小さな町なのです。
このささやかなリアリティを現す構図、紛れもなく大洗そのものであろう空気感を写した構図。
そこには、スタッフの大洗への感謝が溢れていました。
光る海、輝く大洗タワー、そびえ立つ巨大な学園艦。そこへ帰っていくヒロイン達と戦車の後ろ姿の美しいこと。
超重戦車マウスとの激戦シーン、知恵と勇気とチームワークが結実したあの名場面と並ぶ、一生忘れられないシーンとなりました。

この、作品と実在の町との幸福な絆こそが、ガールズ&パンツァーの伝説の最大のものだと思います。
願わくばこの蜜月が末永く続きますように。











*************************
「ガルパンの水島監督の新作が始まるそうだよ」
「おう、知ってるぞ。確か『アザゼルさん』とかいう」
「なんか可愛らしい動物みたいなのが出るアニメらしい」
「そりゃ観てみなきゃなぁ」
「ガルパンみたいに楽しい話なんだろうなぁ」

……という感じの大洗の人たちが実際にアザゼルさんを観たら一体……(汗)(大汗)



水島監督は本物の「天才」なんです! どうか許してあげて!


私的には戦車と少女よりも、極悪ラブリー悪魔たちの方がより愛おしいものであります。

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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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