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2013. 04. 21  
昨日は、埼玉にある理化学研究所の施設公開日でした。

ここ数年、毎年のように見学に行きます。


どんより寒い日でしたが、今年も大盛況でした。制服姿の学生が今年は特に多かったように思います。
そうです。女子高生がワンサカワンサと来ているのです。授業の一環だろうとは思いますが、心底楽しそうにしている子も多いです。実に華やかです。

小さな子供向けの実験展示も多いです。子供向けと言っても、そもそも理化学のことがよく判ってない私のような大人にとっても魅力的な展示だったりします。

電気で踊る水、というのがありました。

お菓子の四角い空き缶。その上に、透明円筒に入った黒い水が置いてあるだけ。円筒には、銅線がグルグルといっぱい巻いてあります。

銅線はアンプのような機械につながっていて、科学者さんがスイッチを入れると、黒い水がユラユラ踊り出します。
同時に、空き缶が音楽を鳴らし始めます。とてもかすかな音ですが、スピーカーになっているわけです。

黒い水に見えるのは、実は砂鉄を溶かした油。その周囲に電流を螺旋状に流すと振動し始め、振動が空き缶に増幅されて音に聞こえるという仕組み。

電気とは、なんと不思議なものでしょう。



子供の頃からどうしても理解出来ないことがあります。

「電気って、何? なぜ生まれるの?」

銅線をグルグル巻いて、磁石と組み合わせる。
電気を通せば回転する。
回転させれば電気が生まれる。
鉄を銅線でグルグル巻いて電気を通せば磁石になる。

不思議すぎる。そういうものだということは判る。でも何故? そのエネルギーはどこから来るの? 

事あるごとに、いろんな人にこの質問をしてきました。
みんな一生懸命に説明してくれるのですが、どうにもなかなか納得出来ない私。

踊る水があまりに面白かったので、思わずそこの科学者さんにも質問してしまいました。

「それは、こうすればそうなる、そういうものだとしか言えないんです」


そ、そんな。
そういう

「スイッチを入れればテレビが点きます、そういうものなんです」

みたいな答えは私の欲しい答えじゃないんです~~(´;ω;`)


じゃ、私が欲しい答えは一体、何なのでしょう? 結局「エネルギーとは何か?」という事になってしまうのかも。


踊る水の隣では、何本ものパイプを女子高生たちがキャッキャウフフと見ていました。パイプを上からスマホで撮影する子も居ます。

科学者さんが指でなにかつまんでいます。円筒を短く切ったモノです。

「これは強力な磁石なんです」

それを、銅で出来たパイプに落とす。すると、磁石はとてもゆっくりと落下していきます。それも、グルグルと回転しながら。
これが鉄のパイプなら、すぐひっついてしまって落ちないはず。
銅に磁石はつかない。
でも不思議なことに、なにかに絡められているかのように、螺旋を描きながらゆうるりと落ちていくのです。

「こちらはアクリルのパイプです」

透明な樹脂のパイプに同じような磁石を入れても、なんの抵抗もなくストンと落ちるだけ。

なんでなんでなんでーーー?!

種も仕掛けもない、銅で出来たパイプと磁石。それだけ。
それだけで、重力に逆らってフワフワと不思議な動きをするモノ。

「磁石は鉄にひっつく。銅にはつかない。反応しない」

という固定観念がひっくり返った瞬間でした。

「銅という金属が、とても電気を通しやすい物質だからなんですね。そこを磁石が通過することによって電気の流れが出来るので、こういう動きになります」

ハッ('Д')! なにか判った気がする!

銅のパイプをクルクル落下していく磁石。

「もしかして、今このパイプが微弱な発電器になってるの?」
「そうですね」

電気は、なぜ生まれるの?

「電子というものが移動することで生まれます。銅は、とても電子が動きやすい物質です。アクリルなど、樹脂という物質では、電子はガッチリ固定されていて、電子は動きにくい。だから同じ動きでも電気は生まれず、磁石はストンと落ちるんです」

「もしかして、私たちは、電子が動きやすい状態のモノを、『金属』と呼んでいるんですか?」
「そうです」

(☆∀☆)←なにかが悟れた目

電気が動きに変わる(モーター)
動きが電気に変わる(発電機)

クルクルと螺旋を描く磁石。
クルクルと巻かれた電線。
延々と続く円環の中を通過するモノ。

「エネルギーとは、『動く』ということ」
「それが減っていくことが『エントロピー減少』ということ」

私の中でバラけていた情報が、やっと繋がりました。なんと美しい円環の理でしょう。

金属という不安定な物質、そこで動く電子をとっ捕まえて、光や熱や音に変換しているんですねぇ、私達。やっと納得できましたよ。



まぁ、それでもやっぱり結局

「エネルギーはどこから来るの?」

というおおもとの謎はまだ解けないんですが。






電気の謎に触れた後、別の棟に行くと液体窒素の実験をしていました。トロ箱に入れられた、モワモワと白いもやが上がる水。軽く沸騰しているかのようにも見える水。

ほうれん草をつまんでそこに浸ける。シュワシュワと泡が出て、あっという間にフリーズドライ。さすがマイナス200度の世界。
科学者さんの手元には、それで釘を打ったとおぼしき穴が開いている凍ったバナナも転がってます。やっぱオヤクソクですよね、液体窒素といえば。

ここでもかねてからの疑問をぶつけてみました。

「どんどん蒸発して消えていくのに、こんなに無造作に扱って、勿体なくないんですか? 液体窒素って、高いのじゃないの?」

若い男性科学者さんが横を向いて叫びました。

「教授ぅ、窒素って、コスト高いんですか?」

隣のテーブルで実演している老紳士が答えます。

「あ~、やっすいやっすい」

「安いの? 空気から作るから? でも作るのは面倒じゃないんですか? 液体窒素って、どうやって作るんですか?」

「冷やせば作れます」
「でもマイナス200度まで冷やすって大変なのじゃ?」


だって、冷房代って凄いですよね。夏の暑い日に部屋を涼しくするだけでとんでもなく電気代はかかりますよね。冷蔵庫は家電でもっとも電気を使うものの一つですよね。
マイナス200度まで冷やすって、なにかものすごくエネルギーとかかかりそうじゃないですか。

「圧力を変えれば温度は下がります。大気を入れて圧力を下げる。すると勝手に冷えて、少しずつ液体窒素が出来るんです。これを見てください」

取り出しましたるは、丸く膨らんだゴム風船。
それを液体窒素に入れる教授。
ゴムがシワシワになりながら、風船が縮んで行きます。

「ほら、液体になったでしょう」

なんと! 空気しか入っていなかったはずの風船の中にタプタプと水が溜まっている! あっという間の出来事でした。

冷やすことで圧力が変わり、気体が液体に。
圧力が変わることで冷えて、気体が液体に。

なんだか不思議な現象ですが、ともかくも液体窒素が意外と安く作れるということはとても納得が行きました。




こういう、見ていて判りやすい実験のたぐいから、世界最先端の科学技術の解説展示に至るまで、理研の一般公開はとても多彩で広大で、面白いです。毎年この時期にやっているので皆様も足を向けてみませんか。もちろんあらゆる展示が無料です。不織布製のシャレたバッグや、素敵な絵葉書などなど、ちょっぴりお土産も貰えますよ!

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NoTitle
「エネルギーとは、『動く』ということ」
「それが減っていくことが『エントロピー減少』ということ」

電気の話と窒素の話がつながっていないような気がする。
電気は電子の動きと思ったのなら、その流れで液体や気体は分子の動きと思えば、不思議感が減少して納得感が増すと思う。

気体というのは、分子がいっぱい動いている状態。
液体は気体に比べて分子が動いていない状態。

圧力がかかると動きにくいよね。

ほんとは意味がちょっと違うけど、人間だって動いていれば暖かいけど、止まっていたら寒いよね。
Re: NoTitle
>山田◎σさん

>>電気は電子の動きと思ったのなら、その流れで液体や気体は分子の動きと思えば、
>>不思議感が減少して納得感が増すと思う。

言われてみれば、ホントそうですね(☆ω☆)

理化学のこと、物理のこと、いろんなこと、これまでの人生で情報としてたくさん提示されてきていたはずだとは思うんです。理屈では判る、という「理解」はそれなりにしていたと思うんです。

でも一番肝心な「納得」する能力がぜんぜん足りてない人生だったんだろうなぁ、と最近よく思います。

生命というのも、エネルギー活動ということですよね。
いやマジで、「エネルギーとは何か」というのがもっとも根源的な問いかけなんでしょうねぇ、命って何? というのと併せて。
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プロフィール

星 ゆう輝

Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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