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2013. 07. 15  
所沢の航空発祥記念館へ行って来ました。

零式艦上戦闘機を見るためです。
ゼロ戦の名で知られている、名機です。完全な形で現存する唯一の機体だそうです。

まもなく、宮崎駿監督の新作映画「風立ちぬ」が公開となります。ゼロ戦の設計者であった堀越二郎氏を主人公に据えた物語とのこと。
飛行機が大好きな宮崎監督のことです。ゼロ戦の魅力をあますところなく描いておられるはずです。
誰が描くよりも鮮烈な、「生きたゼロ戦」が見られることでしょう。

それを観るのに先駆けて、実物を是非この目で確認しておきたかったのです。

子供の頃からゼロ戦の姿は知っていました。なんとなくのイメージで

「可愛い機体」

と思っていました。丸みを帯びたフォルム。ちんまりとした印象。


ですが、実際に目の前に現れたそれは、意外なほどに巨大で重厚でした。

零戦1

可愛いなどととんでもない。
究極、洗練、極限、至高、機能美。そういう言葉が浮かびます。


「パワーとスピードと持久力。すべてを兼ね備えた飛行機を作れ」

という無理無体としか言い様のない軍の要求。
すべてのジャンケンに勝利せよ、というようなものです。

そんな無茶振りに全力で応えようとした、技術の粋を極めた機体なのだそうです。
それはおそらくは、神の領域に達せよ、というのに等しいことだと思います。

すべての常識を捨てねばならない。固定観念を捨てねばならない。
でも、無茶も無理もゴリ押しもあってはならない。
確実=完璧を目指すなら、いかなる歪みも淀みも緩みもあってはならないのです。

私には戦闘機、飛行機の知識はほとんどありません。
ですが、目の前のゼロ戦がこよなく美しいことはハッキリと判りました。
万に一つの無駄も無い、精度の塊。侘び寂びの境地すら感じます。

とは言え、解説を読んで知ったのですが、操縦系統の設計には、あえて緩みを作ってファジー性を持たせているそうです。その方が、結果的に操作感が上がるのだそうです。なんとも面白い話です。ゲーマーとしての感覚ですが、操作感ほど操縦者にとって重要なものは無いだろう、と思ったからです。
意のままに動くこと。
一体感があること。
これらを欠いては、どんなにパワーと機動に優れたマシンだろうと、性能を存分に発揮は出来ないだろうと思います。


上から眺めてかなりゾッとしました。
コクピットが狭いのです。

零戦2

この写真では照り返しで良く見えないのですが、計器がギュウギュウです。大人が膝を曲げて乗り込んで、ギッチギチのはずです。
これほど余裕の無い、窮屈な環境で命がけの飛行をせねばならないのです。
パイロットというのがどれほど過酷で厳しい立場か、がひと目で判ります。
豪胆でかつ繊細で力強くなければ務まらないでしょう。
それはまるで、ゼロ戦の本質そのものでもある気がします。




秀でた構造には、作り手の魂が現れる。思想が反映されるのです。生き様のようなものが映り込むのです。

「風立ちぬ」、ますます楽しみになりました。待ち遠しいです。



航空発祥記念館には、ゼロ戦以外にも多くの飛行機体の展示と、飛行そのものに関する解説展示が数多くあります。どれもとても見応えがあって、楽しい場です。ロビーには飛行する玩具を中心に、科学実験キットおもちゃもいっぱい売っていて、

「あれもこれもそれもどれも全部欲しい! 欲しい欲しい欲しい、買って買って買ってぇ~~~~!!!」

と脳内で泣き喚く自分を必死で宥めながら帰途につきました。全部買ってたら5万10万コースです。我ながらよくそこまで欲張れるものだと嫌な汗が出ました。


夏休みのお出かけに最適な地ではありますが、こと科学に興味の深いお子様をお連れの場合は、ある程度の出費予定を確保してあげて欲しいと思うのでした。
一つでもいいから飛行模型をそこで手にして、記念館に隣接する広大な芝生で大空にそれを向かって飛ばす、そんな思い出が一度でもあるだけで、その子の未来がどれほど豊かなものになり得ることか。
科学への、大空への、未知の世界への興味の芽を伸ばしてあげて欲しい。切にそう願います。

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No title
唯一飛べる52型ですねぇ。いいなぁ。見たかった。 栄21型エンジン始動は聞きましたか?
Re: No title
svetlanaさん>

いい展示でしたよ。8月末まで居てくれるそうです。お好きな方なら必見かと思います。やはり実物を目の当たりにしないと判らないことって多いですわ。

エンジン始動音は、傍らの巨大モニターで流れていた録画映像で聴きました。ライブ運転はさすがに滅多にやらないようです。
でも不思議ですね、初めて聴く音のはずなのに、奇妙に懐かしいんです。耳馴染んだ音でした。記録映像やアニメとかで記憶に残っていたのかも。
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星 ゆう輝

Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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