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2005. 11. 07  
 夫の人が「アホの坂田」(キダ・タロー作)を聴いてしまったばかりに頭から耳からフレーズが離れずフッと気が緩むと口ずさんでしまうらしい。もちろんリビングでもリフレインだ。なにか同じくらい脳に貼りつき易い楽曲を仕入れて相討ちにするのが良いと思うのだが、イマイチ私も思いつかないな、うーん。キダ・タローはある意味凄いわやっぱ。


 さてさて、ここ何日かはアマゾン経由で送られてきた伊集院大介シリーズを読み耽る日々。

 イイ(°∀°)!!

 面白いとか素晴らしいというより、もう万感こめてイイ!! なのである。

 特に、天才ミュージシャン矢代俊一(この人が主人公のシリーズも「キャバレー」以来長く書き続けられている)と大介さんとの出会いを描いた「身も心も 伊集院大介のアドリブ」の内容の深さ、描写の鬼気迫る模様は栗本さんの最高傑作の一つと言ってもいい気がする。

 また「聖者の行進 伊集院大介のクリスマス」は、全編が藤島樹という初老女性(50過ぎだろう)の一人称で書かれているが、この樹という女性の生き様、信念、思想というものがあまりにカッコ良く、「こういう存在になりたい!!」と激しい憧れを喚起する人だった。

 イイ! なぞと軽薄そのものの言葉で済ませてイイのか、というところなのだが、これほどまでに、心臓の下の奥のほうの人間にとってもっとも重要な魂の根底みたいな部分を掴まれて揺さぶられるというような深い感動、情動の動きみたいなものを表すのに「面白い」「素晴らしい」「感動する」というありきたりの言葉が似合わない気がするのだ。私如きの使える言語では追いつかない世界というのが確かにあるのである。

 そんな果てもなく広く遠く深く追いつけもしない世界を見る者、感じる者。もう言葉になぞ出来ないからこそ矢代俊一は演奏をするのだろう。作曲をするのだろう。

 そしてそれが一体どういうものなのか、という描写を小説という形で言語で実行することの超絶。

 天才だけが天才を知る、描ける、ということなのだろう。

 また、知る、判る、からといって、天才同士が人として絆を結び合えるというものでもなく、「神の器」として在る超絶レベルの才を持つものが、どれほど孤独を強いられるか、ということも栗本さんは繰り返し書いて来たことである。

 だからといって同情は不要なのだろう。孤独であること、理解されないこと、他人と対等な交流という形で関わりあえない哀しみ、悲劇、苦難がどれほど凄まじかろうと、だ。仕方が無いことなのだ。それもまた人間の一つの生き様なのだから。

 そういう存在に、理解とは程遠い勝手な思い込みを押しつけようとする一般人の動向そのものこそが天才にとっての最大の悲劇の元になったりするわけであるし。

 だがしかし、その理解、尊重、共感等というものと、自分の妄想を主体とした思い込みでしかないものとの区別が出来ない者の愚かな振る舞い、というものもまた、「人間というのは哀しい物だ」ということになるわけで。


 大介さんは、天才だろうが愚か者だろうが、わけ隔てなくニュートラルな視点で見つめる人だ。
 ニュートラル、中庸であるからこそ総てを視られる位置、存在。そういうところが私は一番好きなのかもしれない。

 だがそんな大介さんをすらムッとさせ、逃げ出すか放置したくなるようなUZEEEEEEEE人間、伊庭緑郎というド阿呆を描く筆致もまた容赦が無い、これもまた凄い。(陽気な幽霊 伊集院大介の観光案内)
 新撰組! のステスケ同様、この伊庭ってのが登場するだけで私も本の世界から逃げ出したくなるほどキライだ。ウザさで言うならグイン・サーガのサイデンと良い勝負。

 奇妙なことに、マリウスとこの伊庭というのは言動パターンが似ているのに、私はマリウスをどうしようもないロクデナシだとは思っても、ウザさは感じないのだな。「いやぁあいつら同じくらいウザい」という人も多いのだろうけど。それはきっと多分、マリウスが矢代俊一クラスの天才を持っているからかもしれない。「あの唄を聴けば総てを許すしかない」というほどの。

 天才というのは表現を通して、己と他者を浄化する存在でもあるから、だろうか。

 不思議と「神の器」であってもマリウスというのには、あまり孤独や哀しみの影が強くない。特にブレイクスルーを果たして開き直ってからは、かな。やっぱ人間じゃなくなってしまったのかもしれないなぁ、コレ。



 さてさて、ハイクォリティな感動を沢山味わうと、私はとても消耗する。ずーっとダラダラ。まだ続くかも。

 FFXIの方はメリポ少々、リンバス少々、ますますログイン減ってるなー。

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Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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