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2010. 01. 12  
コミケで買ってきた栗本さんの同人小説をついに読み終える。
読み耽っている間は、どうしてもなにか食べずにいられないので、体重が一向に減らないという悩みはあったが、内容についてはとにかく凄い! の一言。さすが商業を考慮しない限定解除。展開もやおい描写も空の果てまでのぶっとびぶりであり、精神性は果てしなく深い。
読むだけで人生が変わってしまう小説など、そうそうあるものではないだろう。素晴らしすぎる。
まだ、続きはあるのだろうか。最新刊の著述は2005年。きっと、まだ、あるだろう。
まだ読めるのだとしたら、なんと幸せなことだろう。


栗本薫「東京サーガ」の主人公の1人・天才ジャズミュージシャン、矢代俊一。
「彼にはミューズの守りがついている」
ミューズとは、芸術を司るギリシャ神話の女神達である。9人いるとされており、それぞれに分野の担当がある。
(山岸涼子さんは、このうちの舞踏を司る女神の名前、テレプシコーラをそのままタイトルに、素晴らしいバレエマンガの連載を今でも続けておられる)
そしてその中にカリオペーという女神もいる。

「カリオペー(カリオペイア) Καλλιόπη (英: Calliope) - 英雄叙事詩。持ち物は書板と鉄筆。」Wikiより引用。

小説の神がいるとしたらカリオペー、ということになるだろう。

栗本さんはかねてから何度も
「私には小説の神がついている」
と語っておられたと記憶している。

常に波瀾万丈すぎる矢代俊一の人生の中でも、最新刊を含む展開はとにかく激動激流嵐のごとくめまぐるしく主人公を翻弄しまくっていくのだが、そんな生きるか死ぬかの状況の連続のさなかでもやはりまた
「ミューズの女神が俊一を守ってくれる」
という一文が出てくるのだった。
それを目にしたとたんに、泣いた。

カリオペーは。
栗本さんを守らなかった。
グイン・サーガを守らなかった。あまりに巨大な未完の大作を残して栗本さんは道半ばで逝ってしまわれた。
これが現実。
人の夢、幻想、思い、願い、そんなことども全てを踏みにじって成立する世界の秩序。
神など、人の心にしか居ない。あるいは、非情な秩序こそが神。

その非情、無常、身も蓋も無い現実の冷酷と厳しさを思うと、栗本さんが逝ってしまわれてからこっち、ずっと泣けずにいた私も涙が止まらなかった。


神の守りがもはや無い、と知ってしまわれて以後、栗本さんの決意は、どこまでも変わらず自分自身を全うすること、という事になっていったのではなかろうか、と私は勝手に思っている。
書く。
変わらず書く。
先を急ぐことはせず、結びだけを一足飛びに書くこともせず、ただ、ただ、端然と全力でひたすら、つまりは今までどおりに書き続けること。
その選択にこそ、神が宿っていたのかも知れない。

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人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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