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2010. 02. 22  
島本和彦氏著「アオイホノオ」読了。

まず夫の人づてに1巻だけを入手。前から読みたい、読みたい、と念じていたので嬉しかったのだが、夫の人が何度も警告する。
「痛いぞ~、読んでてむちゃくちゃ痛いぞ~」

痛い青春がプレイバックするからなのだろうか、と思いつつ読み始めたのだが、これがもうとにかく無茶苦茶に面白い。愉快。楽しい。笑って笑って笑いすぎた勢いで天井からホコリが落ちるのじゃないかと思うくらいに呵々大笑。
島本氏は私より2歳上、オタク世代としてはほぼかぶっていると言えるが、私が大学入学したころにはすでに漫画家としてデビューは果たしておられたわけで、正直雲の上の存在のようにも思っていたのだけど。大阪芸大で庵野氏や赤井氏と同輩として過ごしていた、という事実をこの作品を読んで初めて知ったのだった。

そしてここで描かれている、80年代初頭のオタクの青春、というもののカケラは、確かに私の青春の一部とピッタリ共通なのだった。懐かしくも楽しく、心から暖かくかつ熱くなる、遠くも微笑ましい青い日々。

わからん。
なぜこれが、そんなに痛いのだ夫の人?
そして夫の人にしてみると、この青春に痛みを覚えずにいられる私の方がよほど不可解であるらしい。
焔燃君、こんなに楽しくてステキでカワユスなのに。なんて愛おしい青年だろうと。

けっきょく、私自身の「オタク」としてのスタンスそのものが異端、異質ゆえであるかららしい、と結論づけるしかなかった。オタクと言えばイコールで劣等感と結ぶモノだと世間ではなっているようだが、私自身は自分がオタクであることに熾烈な誇りこそあれ、劣等であるなどと感じる理由など一切持っては居なかったからだろう。それは80年代の若い日々からずっと変わらずそうなのだ。

あと、夫の人に言わせると、焔燃君が、プロの漫画を観察して「こんなに下手でも良いなら俺でもいける!」とか思ってしまっているくだりが特に痛いのだそうだけど、これについてはまた別種の違う視点が私にはあったからかもしれない。
焔君(島本氏)は、少年漫画しか視野に入れてなかったから、なのではなかろうか。
私が見ていたのは少女漫画の方である。もちろん少年漫画もある程度は知っていたけど、やはり主眼は少女漫画である。それもあの24年組中心だ。萩尾望都、竹宮恵子、大島弓子、山岸涼子、三原順、枚挙にいとまもないほどの綺羅星の群れ。
そう、ハッキリと思い出す。私はあの当時、少女漫画の世界こそ、少年・青年漫画が逆立ちしたって追いつかないほどの高尚にしてハイグレードな世界だと信じて疑っていなかったのだ。描き方といい、内容といい、画力といい、テーマといい、少年青年漫画の世界に比肩しうるものなどほとんど無いではないか、と思っていた。そりゃぁ、知名度や売り上げ数字はまったく勝てないわけだけれども……と。
高名? であるらしい、漫画評論家と名乗る御仁達が「現代の漫画事情を語る」場などに何度も出くわしたが、彼らは一様に「少年漫画」についてしか語ろうとしない。少女漫画など眼中にも入れてないのだ。漫画、といえば少年漫画か劇画のことだけだと思っているらしいのだ。バカじゃないだろうか、今少女漫画を語らずに、漫画評論をやってるつもりでいるなどど何という暗愚迷妄、とせせら笑っていたことも思い出す。
ああ、もっと思い出した。そんな時代、私以上に情熱的に、激しく、詳細に、少女漫画について熱い評論を展開しまくっていたのが、文壇デビューしたばかりの中島梓さんだったことを。そのころ、私はまだ栗本薫という小説家としてのペンネームの存在も知らず、グイン・サーガもまだ手にとっては居なかった、ということも……。

思いっきり話が逸れたが、つまり私はあまりにハイグレードな作品ばかり追っていたので、プロというのはあそこまでの高みに到達した者のことだとも思っていたし、とてもとても焔燃君のような意識は持てなかったから、というのが、痛みを覚えずに他人事でいられる理由なのだろうと自己分析したのだった。が、こんな分析などどうでもよろしいw

あまりに楽しくかつ感動したので、「これだけはちゃんと続刊を自分で購入して手元に置く!」と決意したのだが、なんということ、既刊3巻のうち、2巻はすでに在庫切れであるらしいbyアマゾーン!
だが、私のヒートっぷりを確認した夫の人が、書店を巡って買いそろえてきてくれたのだった。ありがとう夫の人、さすがのサーチ力だぞ夫の人!

3巻は、なんだかとても中途半端なところで終わってしまっているのが惜しい。出来れば続きをゆっくりでいいから発表して欲しいとは思うのだが……天に祈るばかりである。もっと読みたいぞ!




さて次は「シグルイ」、ただいま5巻まで。12巻まで突っ走る!
しかし、ハートキャッチプリキュアを観ていると「心の種、心の種」と出てくる辺りで、虎眼先生の「種ぇ~」がプレイバックされるのには困ったモノである事よ。

図書館で「モンテ・クリスト伯」も借りてきたので、シグルイ後はこちらの予定。ああ、読みたい本が重なると食べる量が増える! 楽しいのだか辛いのだか。





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Comment
北海道ローカル番組に
こんばんは^^

奇遇ですね~
数日前に、北海道ローカルの深夜番組に出ている島本氏を観たばかりだったので、ちょっと驚きました^^

島本氏は北海道・十勝の池田町出身だそうで、十勝に住んでいる者としてちょっと嬉しかったです。

少年漫画が突然ヘタウマ?な時代に突入して、これなら俺でもやっていけるかも・・・と思ったというくだりは番組でも話されていましたよ。

そしてジャンプ攻撃w
「ジャンプだけがマンガじゃないぞ!」と叫んでましたw

今は子育て環境を考えて札幌で生活されてるそうですね。
スケジュールに真っ先に書き込むのはPTA行事だそうですww

かなり笑わせてもらいました^^
アノ痛さは、、、orz
う~む、アテクシも旦那さんのシトと同意見だなw
あの痛さは、男の子の若気の至れり尽くせりの
思い付き、思い込み、勘違い、根拠のない自信が
人生を思わぬ彷徨に引っ張って逝く過程の痛さが、
今も心の奥底に仕舞い込んだやらかい部分をチクチクと
シクシクと締め付けるとですよ。奥さんw
それが女のシトにはわからんとです!
でも、島本センセのあのヲタクと一般人のボンノーの間で
揺らぐ葛藤が見事に表現されててスキw
ソレに比べると描かれている当時のダイコン一派
庵野、山賀、赤井とかヲタキングは既にヲタク・サイボーグ
だもんな、既にw
ヲタク・サイボーグ
>まんもちゃん
オズマ的な意味っすか?
おじゃまします・・
うーん、島本和彦、アオイホノオ・・・北海道十勝出身・・・

うーん、まったくついていけない・・・・くそっ・・・

うーん、この作品は一体、まんがなのか?小説なのか?もわからない・・

 実は「ローマ人の物語」、再び読み始めました。我が家の本棚を確認すると、パパがせっせと買いそろえた文庫本が、No、31までびしっとそろえてあって、「海の都の物語」もNo1,2とすでにそろえてあった。

 これは読むしかない・・・と再び、「ローマは一日にして成らず(上)」を手にとったのでした。しかしながら、ロムルスとレムスの兄弟が母狼の乳をのむところ。。。一体今までに何回読んだーーー?
 
 挫折しないよう・・・・とにかく読んでみる宣言!!!!

Re: 北海道ローカル番組に
うまかつさん>
お久しぶりです^^ノ
島本氏は、芝居気も存分にある方で、アニメ雑誌で自分を主人公の写真マンガを構成したり、ネットラジオで熱いトークをなさったり、多芸な方です。アオイホノオ1巻のラストには庵野氏との対談ページもあり、その写真を見て思わず私は「さすがにお歳をとられたなぁ」と軽くショックを受けてしまったことではありました(自分はどーなんだw 鏡見ろ私w)。でもやっぱり、お二人とも素敵なオタクオジサマとして良い年輪の重ね方をなさっている感じです。もっともっとずっと今後も頑張っていただきたいですね(´∀`)♪


Re: アノ痛さは、、、orz
まんもさん>

ああーなるほど、もっとそういう、男性ならではの心理に眼を向けるべきでした。
最近良く思うのですが、基本的に男女差別はキライですし、なるべく平等を主張したい私なのですが、この年になってくると、どうにもしがたい男女の差違の深いところまで見えてきます。
女性にとってはなんでもないことが男性には大変に負担であったり重要であったり、(もちろんその逆もあるわけですが)その差違をしっかり認知しないと、ただ文句をぶつけ合うだけの状況になるのでしょうね。
見栄。
男性の苦労の大半の根元がこれであるという気がしてますが、焔燃君にもそのあたりはたっぷりありましたね。
わからないわけでは無いのですが……無いのですが……どうにもピン! とは来づらいところではあります。
島本氏は、アオイホノオにおいて、そういう若さゆえの自意識過剰などを、実に巧く昇華した形で表現なさっていると思います。さすがベテランの味わい。
Re: ヲタク・サイボーグ
夫の人>
ヲタク・サイボーグ。
限界突破をやすやすと果たしてしまっていた人たちのことなのかなぁ。
いろんな意味で、あの時代の大阪には凄い方達がひしめいていたんやねぇ(´w`)
私の青春なんてジミももいーとこ。


Re: おじゃまします・・
さっこさん>
ようこそおいでくださいました!(´∀`)♪

すみません、オタクネタ8割以上の私のブログでございますm(_ _)m

記事中に、ちょっと太い字体で青色になってる単語には、参考ページへのリンクを貼っていることが多いです。この記事の場合、冒頭の「アオイホノオ」をクリックすると、Amazonの紹介ページに飛び、本の詳細や評価閲覧、購入などが出来るようにしてあります。本を紹介する記事ではわりと多用しますので、参考にしていただけると嬉しいです。

なお、この記事の前回のエントリ、「プライド」というマンガ作品の方が、むしろさっこさんには私はお薦めであります。オペラ歌手を目指す少女たち二人の、愛憎と研鑽の物語でして、読み応えのある傑作であることは保証いたします♪

ローマ人、お読みですか! 頑張ってカエサル伝までたどり着いていただけたら……と夢想しますです、とてもステキなので。どうぞ、頑張ってくださいませヾ(゜ー゜ゞ)( 尸ー゜)尸 
もちろんハンニバルもアウグストゥスもステキなのですが! 

今日は図書館で、カエサル著「内乱記」と、マンガで読むマキャベリの君主論、というのを借りてきました。海の都の物語も読みたいのですが、行きつけの図書館には無くってですね(´Д⊂
今抱えているモンテクリストと内乱記と君主論が終わったら、きっと行きますわヴェネツィア!(☆∀☆)♪♪♪
▼せっちゃん 様

をを、同世代ならでわのワカりやすい例えw
ヒューマ・ホシ&オズマ www
そうですね。アノ当時「ヲタク」であることに
微塵の迷いつーか、ブレもない。見事なまでの
「をたくエリート」つーんすかネ?w そんな意味で。

▼ゆう輝 様
ええ、セーシュンのいいキーワードですね。
「見栄」「自意識過剰」w

>「限界突破をやすやすと果たしてしまっていた人たち」

そうですね。周りにあんなにやすやすと何の迷いもなく
限界突破してる人々がいる状況はかなり異常だったのでは?とw
しかも、何となくベクトルは同じ。その焦燥感があのアオイホノオと
なってメラメラと、、、orz w
Re: タイトルなし
まんもさん>
あの当時、アニメックでは岡田氏がコラムをずっと連載なさっていて、これがもう大変に面白く可笑しくて私は大好きでした。
そこに描かれる大阪を中心としたオタクシーンの異常なまでのハイテンションモードは、まさに特異フィールドと言うべきであったろうと、当時から思ってました。なにかしらの不思議な力の結集。時代が動くためには、そういう特異点が必要なのかも知れませんね。

余談ですが、「自意識過剰」は確かに青春のキーワードだと思いますが、「見栄」、こちらは青春のみならず人生そのものにずっとまとわりつく厄介だと思ってます。人間が人間であるための要素の一つではなかろうか、と。業病のようなもの。もし見栄を完全に喪ったら、ある意味それはもはや人間ではないのかもしれない、とまで思います。
個人的には、その業病は、男性の方により多く重くつきまとっている、という気がしているのですけどね。見栄による、見栄を護るための、ウソ、誤魔化し、欺瞞、激怒、闘争、破壊etc。
それを許せない女性もまた、業病を抱えているということでお互い様なのかもです。むつかしいものですね(´ー`)
あまり深く考えないでいろんな漫画家さんが
そのまんまでてるーと気楽にみてましたw
ちかくに漫画喫茶ないと急によみたくなったときにつらいOrz
Re: タイトルなし
Yamaさん>
あー、そうかもですね。特に、うる星やつら。面堂終太郎登場の回で、いっきに作品世界がブレイクスルーを果たしたのを目の当たりにした感動が、実に臨場感たっぷりに描かれていて感慨深かったです。アニメの方も、それまでパッとしなかったのが、あの面堂の回からドラマティックなまでにクォリティが上昇していったことをありありと思い出しました。
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プロフィール

星 ゆう輝

Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

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