--. --. --  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010. 04. 08  
惣領冬実さんの「チェーザレ」、図書館に予約はしたのだが、5人分も予約が先行していては、私の手元に届くのはいったい何時のことやらと思い、とうとう購入してしまった。とりあえず4巻まで。
と、同時に、やはりチェーザレが登場するマンガ作品ということで、さいとうちほさんの「花冠のマドンナ」も買ってしまった。これまたなぜか4巻まで(そこまでしか駅付近の書店に無かったんだもの)。


で、もう惣領さんのチェーザレのものすごさに圧倒されまくりなのである。
これは、まさにガチンコ勝負! チェーザレのキャラ造形の深さ、切れ味、端麗さもさりながら、彼が生きた時代、生きた土地、その世界を描き尽くさんとする、その意気込みが素晴らしすぎる。
これだけの絵を描くために、いったいどれほどの資料を集め、調べ、吟味しなければならないか。
そして得た情報総てを、己の中で再構築して出力するのに、どれほどのたうち回らねばならないだろうか。
写真を見てその通りに描くとか、写真を加工・トレースしてどうのこうのだのといった安易な手法では決して描き出せない、奥行きと空気感のある見事な画面となっている。
惣領さんの、マンガ家としての技量の円熟ぶりと、全力をもってチェーザレという時代の寵児を蘇らそう、と言わんばかりの気合いがひしひしと伝わる。
4巻時点ではまだまだ話が転がりだしてもいないほどのじっくりペースなので、もしかすると惣領さんのライフワークになるのかもしれない。だが、すでにして傑作である。
いずれ遠からず、映像化などの他メディアへの展開が起きるだろうと思われる。その暁には、ちょっとしたボルジア・ルネッサンスブームなども来るのかも知れない。


でもって、さいとうさんの「花冠のマドンナ」が、これがまたなんともいかにもな「さいとう節」というか、その華麗さ、色っぽさ、典型的少女マンガ的真髄が凝ったような、乙女脳髄の芯からブルブル震えてしまうような、ロマンの中のロマンの連続連発、「チェーザレ」とはまったく違った方向に圧倒されまくる作品である。なんと、なんと、なんと妖しくけしからぬまでに、さいとうチェーザレのなまめかしいことよ! たまらん、こりゃタマランと、本を口に当てて右へ左へ駆けずり回りたくなるほどに、乙女心を騒がす色香なのだった。

女性同士で同じ歴史上の存在を描きながら、これほどまでに作品の色合いも違ってくる、その事実そのものも私には愉しい。

どちらが良い悪いというものでは無いとは言え、歴史そのものとがっぷり四つに組み合って、怜悧さ冷酷さ、そして空気を読んでいるようでまったく読んでいない、人間を人間とも思ってない(思えない)天然の残酷さまであますことなく描き出そうとしている惣領版チェーザレの方が、圧倒的に身も世も無いほどに私の心を惹きつける。塩野版チェーザレとも全く違う、まさに独自のチェーザレ。そして、マンガという最高の媒体を得て、かつてなかったほどの迫真性を持って彼の生き様や思想が世に問われ続けていくのだろう。
その流れこそがまた、ロマンだ。

いつか私も、私だけの、私にしか描けないチェーザレ像を造り出せたら。
そう思わずにいられなかった。
だがしかし、惣領版、塩野版、いずれにも、逆立ちしようが一生かけようが迫ることが出来る気もしないのだが。
ともあれ、私の脳内ツバメ箱に、また1人、燦然と輝くスターが追加された。嗚呼チェーザレ、光と闇、神と魔、理(ことわり)と理不尽、あらゆる両極を抱え込んだ漆黒の星よ。

塩野さんの「ルネサンスの女たち」も確保済み。
ボルジア・マイブーム、まだまだ当分続きそうなのである(´ー`)





****訃報*****

佐藤史生さんがお亡くなりになってしまわれた。
ああ、佐藤さん、「ワン・ゼロ」、好きでした。本当に、大好きでした。
「ニューロマンサー」が日本上陸するかしないかの時代、まだ誰もサイバーパンクという言葉も知らなかったあの時代に、ギブソンに先駆けてかくもサイバーなSFが日本の女性マンガ家によってすでに描かれていた、という驚異の事実を、どれほどの人が今知っているでしょう。貴女の作品はどれも一級のSFであり、すべてが珠玉でした。心より逝去を惜しみます。合掌。


関連記事
NEXT Entry
菜種梅雨の合間に
NEW Topics
初めてなのに懐かしい  Fate stay night
さらば上石神井
過ぎ行く2013
現実はドラマティックを狙わない
新生ライフ
アイウエオの歌
文は人なり
曲線美
風立ちぬ
ぜろせん!
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

星 ゆう輝

Author:星 ゆう輝
人生50年、オタク歴40年弱、母親業四半世紀。老眼とボケが迅速に進行中。麗しいロボ執事をはべらせるのが老後の夢。

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイブ
ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。